FURU2005-05-18

♪The Anita Kerr Singers『Velvet Voices & Bold Brass』

女性2・男性2という編成で、センス溢れるドリーミーなコーラス・アレンジで聞かせるアニタ・カー・シンガーズ。60年代からたくさんのアルバムを出していますが、これは69年リリースのアルバム。彼女達は同年に素晴らしいバカラック・カバー集アルバム『Reflect』もリリースしていますが、こちらも負けず劣らず素晴らしい作品。タイトルが示すとおりブラスも交えた軽快なサウンドをバックに、お得意のカバー中心の選曲。

モータウンのブレンダ・ハラウェイのヒット曲で、BS&Tが取り上げたことでも有名な「You've Made Me So Very Happy」のカバーで幕開けるこのアルバム。ベストトラックは何と言ってもビートルズ「Ob-La-Di, Ob-La-Da」の軽快ウキウキ・ムードなカバーでしょう。他にも、これまたレノン=マッカートニー作「Goodbye」(メアリー・ホプキンのヒット曲)や「God Bless The Child」「The Windmills Of Your Mind」といったナンバーの良質カバーが多数収録されていて楽しめます。

「Ob-La-Di, Ob-LA-Da」はキャッチーな楽曲にレゲエのリズムを一早く取り入れた、ホワイト・アルバム収録のビートルズの人気ナンバー。アニタ・カー・シンガーズ流カバーの素晴らしさは、原曲の良さをしっかり残しながら、どんな曲でも自分達のカラーに見事に染め上げているところでしょう。そういう意味では、まさにカバーのお手本のような作品がこのオブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダなのではないでしょうか。