FURU2007-08-28


この夏一番の大きな買い物!
文字通りモータウン系レーベルがリリースした全シングルを、
そのAB面すべにわたって収録していくボックス・セット。
現在このシリーズは、『Vol.7』までリリースされていますが、
私がこの夏に購入したのはそのうちの3セットです。


今のところまだ、画像の『Vol.2(1962年)』(CD4枚組、全112曲収録)
を順次聞いているところで、
『Vol.6(1966年)』『Vol.3(1963年)』が順番待ちしている状態(笑)。


CDとしてのボリュームももちろんすごいのですが、
ハードカバーの洋書さながらのその仕様の立派さにも驚きました。
表紙には7インチのアナログ・シングル盤が入っていて、
中には収録全曲のデータ&解説付き。写真等も豊富で、
手にとってぺらぺら眺めているだけでも、もう嬉しくなっちゃいますね。


さてさて内容のほうですが、これが想像以上の充実度。
1962年というと、いわゆる「モータウンサウンド」というものが
まだまだ確立しきれていない時期ですが、そこが逆に面白い。
楽曲の雰囲気が実にバラエティーに富んでいて、このレーベル自体が
まだまだその方向性を模索しているような段階なんだと思います。
元々“雑食な”私の音楽的趣味にもピッタリとフィットしています。


マーヴィン・ゲイ、ミラクルズ、マーヴェレッツ、メアリー・ウェルズ、
このあたりはすでにこの時期の旗頭として活躍している感じですね。
後にH-D-Hで、モータウンのソングライターとして屋台骨となる、
エディ・ホランドのシンガーとしてのこの時期の活躍ぶりも見逃せません。
シュプリームスもすでに前年デビューですが、まだまだ“泣かず飛ばず”の状態。
そしてこの時期には、リトル・スティーヴィー・ワンダーテンプテーションズ
マーサ&ザ・ヴァンデラス、コントゥアーズなどなど次々とデビューしています。



そして、全く聞いたことのなかった(知らなかった)、
実にたくさんのグループやシンガー達。
その多くはヒットせずに、後のビッグネイムになり損ねた人達ですが、
驚くべきは、そういった言わば「無名曲」ですら、
なかなかのクオリティーを保っていることですね。
モータウンならではのポップ・センス溢れるナンバーだけでなく、
ジャズやゴスペル、ドゥワップ、ブルーズなどなどジャンルをまたにかけた、
まだスタイル模索中のこのレーベルのこの時期ならではの楽しみは、
むしろこういった無名アーチスト達のナンバーにあるような気がします。