FURU2005-07-06

Rickie Lee Jones『Pop Pop』


今日はeggさん(id:egg_333:20050706)のコバンザメ。私が思うに、このリッキー・リー・ジョーンズという女性シンガー、同性からの人気がかなり高いような気がする。もちろん男性ファンもしっかりいるとは思いますが、少なくとも私の周辺では、比率的に女性ファンのほうが多い印象があります。


この『Pop Pop』は91年リリース。デビューから10年以上が経ち、すでに「中堅シンガー」の域に入っている時期のアルバムですね。まず何と言ってもジャケが良い。拡大してポスターなんかにして、ぜひとも部屋に貼りたくなる素晴らしいデザインです(実際にどこかの雑貨屋さんで、このデザインのポスターが貼ってあるのを見かけたことがありますよ)。このデザインからは全く想像がつかないながらも、確実に何かをやってくれていそうなオーラがこのジャケットからは出ていると思います。


で、この「何かをやってくれていそうな」アルバムの正体は、アコースティックでシンプルなバックに乗せて、ジャズなどの古いナンバーを中心に取り上げるカバー集。ナイロン弦を中心に使用したロベン・フォードのまろやかなアコースティック・ギターと、チャーリー・ヘイデンのベースを核に、全体的に音数の少ないシンプルなバック。ミディアム以上のスウィンギー・ナンバーでも決してテンションを上げ過ぎることなく、低温度なサウンドが終始アルバムを支配しているんですよね。これがここ数年のシーンの中でリリースされたアルバムだったら特に驚きもしないんですけど、91年という時期のポップ・シンガーの作品としては、かなり異色というか、まさしく時代の先取りだったんですよね。