FURU2005-05-24

♪The Temptations『Sing Smokey』

ラクルズのヒット・チューン「You've Really Got A Hold On Me」。もちろんスモーキー・ロビンソン作のナンバーで、もうホントに大好きな曲なんですよね。ビートルズがセカンド・アルバム『With The Beatles』(63年)で一早く取り上げカバーしていたことから、ソウル・ファンならずとも多くの音楽ファンを魅了してきた有名曲なのではと思います。ビートルズ・バージョンでは、珍しくジョンとジョージという取り合わせのコーラスがたっぷりと楽しめるのも面白いところですね。

オリジナルはスモーキー・ロビンソン&ミラクルズの『Fabulous Miracles』(62年リリース)のトップを飾っていました。もちろんシングルにもなっていて、R&Bチャートで見事No.1を獲得しました(Popチャートでも8位)。そして、この原曲のスモーキー節を多分に意識しながら、自身のファルセットで情感たっぷりに歌い上げたのが、テンプテーションズエディ・ケンドリックスというわけです。

やはりこの時期のテンプスのラインナップが一番好き。この『Sing Smokey』は彼らのセカンドにあたる作品で65年のリリース。タイトル通りに、ここに収められた楽曲はすべてスモーキー・ロビンソンのペンによるもので、スモーキー作品をテンプテーションズが歌うという、まさしく「モータウンの顔」のようなアルバム。

A面には代表曲「My Girl」などテンプスのために書き下ろされたと思われる楽曲が並び、B面には過去のスモーキー作のモータウン・ヒットのカバー(ミラクルズのナンバーが中心かな)が収録されています。そんなB面の流れの中でさりげなくカバーされている「You've Really Got A Hold On Me」。デヴィッド・ラフィンのボーカリストとしての魅力を決定付けた「My Girl」での歌唱ももちろん悪くないけど、やはりスモーキー作品と言えばエディ・ケンドリックスの切ないファルセット・ヴォイスがもっともピッタリくるんですよね。そして最強のラインナップによるこの時期のテンプテーションズの表情豊かなコーラス・ワークが心に沁みます。