本日のコタツ音楽

FURU2005-02-04

♪Peter Dean『Four Or Five Times』

人呼んで「謎のオッチャン」系(って、私が勝手にそう呼んでるだけか・笑)。70年代という時代に、戦前オールド・ジャズばかりをウクレレ弾きながら独自の渋い歌声で聞かせてくれるピーター・ディーン。これは74年ブッダからリリースされた彼のセカンドにあたるアルバムで、バックのサウンドもめちゃめちゃスウィンギーで心地良く、とても素敵な仕上がりの一枚。いわゆるアコースティック・スウィングの「隠れ名盤」としても間違いなくオススメできるアルバムです。ちょうど一年前くらいの「第8回お題セレクト」の時にこのアルバムからタイトル曲「Four Or Five Times」を収録して、結構好評でしたっけ。

70年代ジャズ・ミュージックの主流からは大きく逸脱した存在だったであろう彼。そして、セカンドにしてすでにかなりのご年配な感じで、過去の経歴もよく分からないんですよね。まぁ個人的には「謎のオッチャン」状態が好きなので、敢えて調べたりもしないんですけどね(笑)。只一つだけ分かっていることは、実はこの人、あのカーリー・サイモンの叔父にあたる人物だってこと。そのカーリー自身もコーラスでこのアルバムに参加しているのですが、当時大人気の女性シンガーの叔父、ということで、ブッダのような有名レーベルが目をつけたんだろうと思います。

これだけアコースティックものが再発掘される中、なぜか今だにCD化が進まないピーター・ディーン。このセカンドの素晴らしさは言わずもがなですが、ギター2本のみをバックにしたファースト『Ding Dong Daddy!』('72)もスウィンギーでなかなか素晴らしいアルバムです。現状ではどちらもアナログ盤で探すしか方法はないのですが、もうこうなったら徹底的に開き直って、いつまでも素敵な「謎のオッチャン」のままでいてくださいね(笑)。


♪Peter“Snake Hips”Dean『Ding Dong Daddy!』