本日のコタツ音楽

FURU2005-02-03

Marvin Gaye『That's The Way Love Is』

あの『What's Goin' On』の前作にあたる70年のアルバム。ノーマン・ホイットフィールドによるプロデュース。セルフ・プロデュースによりアーチストとしてのカラーを前面に出した画期作『What's Goin' On』前夜の、いわば「会社主導型」のアルバムとしては最後の作品と言えるでしょう。

69年に大ヒットした「I Heard It Through The Grapevine」の流れを汲むタイトル曲。この曲のヒットを受けて制作されたアルバムとのことで、レコーディングはかなり短期間で行なわれたようです。60年代後半の「I Wish It Would Rain」「Cloud Nine」(共にテンプス)のカバーをはじめノーマン・ホイットフィールド系の作品が実に9曲。U.K.でヒットしたという「Abraham, Martin & John」はミラクルズが前年に、ビートルズ「Yesterday」やラスカルズ「Groovin'」のカバーに至っては、どちらも68年のグラディス・ナイト&ザ・ピップスのアルバム『Silk 'N' Soul』と同じ選曲じゃないか!

とった具合に、選曲面で見るといかにも「即席アルバム」といった感は否めない本作ではありますが、マーヴィンの素晴らしい歌唱でそのすべてが救われるんだよなぁ。素晴らしいシンガーは、やっぱり文句なしに素晴らしいんですよね。そんなことを思わされる一枚です。