本日のコタツ音楽

FURU2004-12-19

♪Jimmy Scott『The Source』

初めて聞いていたく感動したアルバムでその季節が冬だったりすると、毎年その季節になると何故か取り出して聞いてみたくなるもんです。このアルバムを初めて聞いたのは3年前の冬でした。もともとは中古CDで購入してきたのが3年前。そして今では、買い換えたオリジナル・アナログ盤でこのアルバムを聞いています。

現在80歳近い年齢で、現役を続けるジミー・スコット。これは70年リリース、彼が40代の頃に録音されたアルバム。彼の歌唱はもちろん現在でも全然イケるのですが、やはりこの時代が最も伸びやかなボーカルを聞かせてくれています。このアルバムを初めて聞いた時「全曲スローのアルバムなんて、それまでは苦手な部類だった私の眼をこのアルバムは開かせた」なんて、HPに書いたことを思い出します。男性ジャズ・シンガーで“ソウル”を感じることのできる数少ないシンガー、それがジミー・スコットです。このアルバムの持つ独特な緊張感、そして伸びやかで奥深い彼の歌唱。バリー・マン作の名曲「On Broadway」をはじめ、「Our Day Will Come」「Unchained Melody」といったヒット曲のカバー、そして現在でも彼の重要なレパートリーとなっている「Sometimes I Feel Like Motherless Child」などの楽曲は、やはり今年の冬も私の音楽ライフの重要な部分を担ってくれている感じです。アルバムを語る時に、バックミュージシャンの好サポートについて触れるのが大好きな私ですが、このアルバムではエリック・ゲイルによるギターの控えめな好サポートをやはり挙げておきたいですね。

彼の来日ライヴを昨年の夏に見に行きました。狭いライヴハウスでしたので、開演前からジミー本人も我々と同じ客席の隅に座っておりました。バンドがオープニングのインスト演奏を始めてしばらくして、おもむろに立ち上がったジミー。さぁいよいよステージに上がるのか?と観客の視線が一挙に彼の動きを見守り注目する中、何とトイレに入ってしまった、というお茶目なエピソードは永遠に私の記憶の中に刻まれることでしょう(笑)。