FURU2005-09-12

現在、『お題セレクト』交換会の真っ只中。今回は全部で17名の方々のセレクトが我が家に届きます。参加者の皆さんから頂いたセレクトを毎日聞いているわけですが、ある方から頂いたセレクトを聞いていたら、久しぶりに無性に「戦前ブルーズ」を聞きたくなってしまいました。


ということで、セレクトを聞くのをちょっとお休みして、久々に「戦前ブルーズ」を聞いています。私の場合、戦前ブルーズにハマっていたのは大学時代後半から社会人1〜2年目の頃で、ちょうどその頃、ロバート・ジョンソンのコンプリートが出たり、色んなコンピが出てきたり、レココレの「戦前ブルーズ特集」があったりと、一部ではちょっとしたブームだったんですよね。


♪Big Bill Broonzy『Big Bill's Blues』


ビッグ・ビル・ブルーンジーも偉大なる戦前ブルーズマンの一人。出発は1920年代のブラインド・ブレイクらに影響を受けたカントリー・ブルーズのスタイルですが、30年代に入るあたりから徐々に自身のスタイルを確立させていきます。この時点から彼のスタイルは、カントリー・ブルーズとは一線を画した都会的センスのあるシティー・ブルーズへと発展していきました。


このアルバムは、30年代中〜後半の録音が中心。この時期(特に30年代後半)になると、バックにピアノ・ドラム・ベース・ホーンなどを従えた録音も多くなっていて、「シカゴ・ブルーズのドン」と呼ばれていたその顔役ぶりが窺えます。自身のテーマ・ソングとも言える「Big Bill Blues」は36年録音で、ピアノのブラック・ボブとのデュオ演奏が前面に出されています。米南部の大洪水の悲しさを歌った「Southern Flood Blues」(38年録音)と並んで、このアルバムでのベストトラックですね。


私自身のビッグ・ビルの最も好きな時期は、実はこれよりもちょっと前の、32年〜34年頃。彼が「弾き語り」で自身のスタイルを確立させた時期。このアルバムにはなぜか一曲だけこの時期の録音「Bull Cow Blues」(32年)が収録されていますが、この時期には他にも素晴らしい演奏がたくさんあるんですよね。ということで、明日はビッグ・ビルの30年代前半の録音集を取り上げることにしましょう。