FURU2005-07-19

Billy Joel『Cold Spring Harbor』


何を今更とツッコまれそうですが、日曜日に購入したビリー・ジョエルにハマっています。彼の音楽は、私が洋楽を聞き始めた頃からよく聞いていたし、セカンドの『ピアノ・マン』から9作目『イノセント・マン』までの8作品をかなり早い段階から所有していたのですが、なぜかこの71年のファースト『コールド・スプリング・ハーバー』だけはずっと未聴のままだったんですよね。


日曜日の午後の中古屋さんのCD棚。ここ数年は未聴アーチストを中心に購入してきた経緯もあって、こういった定番アーチストの未聴アルバムが後回しになる傾向ってのが確実に私の中にあったんですよね。でもこの日は、目新しいところで特にこれといった盤がなかったのが逆に良かった。こういう時こそ定番に立ち返るチャンス。「よーし久々に聞いてみるか」ってな感じで、ふと目に留まったのがこの『コールド・スプリング・ハーバー』というワケです。


おそらく10年以上ぶりに聞くビリー・ジョエルの新規購入盤。まだまだセールス的には泣かず飛ばずだったファーストの頃の彼ですが、ズバリ素晴らしい内容のアルバムです。一曲目「She's Got A Way」。後の彼からは想像がてきないくらいアッサリとした歌い方。この曲に代表されるシンプルなピアノ弾き語りで聞かせる美しいメロディーを持つ楽曲達。そして、「Everybody Loves You Now」や「Falling Of The Rain」といったアップテンポ・ナンバーで聞かせる軽快な歌い回しと流れるようなピアノ・プレイ。国内盤の帯に書かれている「ビリー・サウンドの原石」という言葉とともに、しみじみとこのアルバムを聞き入っていますよ。


「もっと早く聞いておけばよかった」と思う一方で、今自分の中では「あえてこの歳になるまで聞かないでおいてよかった」という気持ちのほうが強かったりします。ひょっとしたらある程度の歳を重ねた今だからこそこのアルバムの良さが分かるのかもしれませんね。