本日のコタツ音楽

FURU2005-02-24

♪Julie London『About The Blues』

まず、何はともあれ1曲目の「Basin Street Blues」が素晴らしい。エコーを効かせた歌い出し。そして曲が起動に乗り出す瞬間にフッとそのエコーが消えるんですよね。この瞬間がたまらなくカッコ良くって、何度聞いても身震いしちゃいます。ハスキーでスモーキーな彼女のボーカリストとしての魅力がこの瞬間に濃縮されている、と言っていいでしょう。

『About The Blues』は57年リリースにリリースされたジュリー・ロンドン4作目。全編「blues」と名のつく曲ばかりで塗り固められたコンセプト・アルバム。いわゆる「A-A-B」型の定型12小節ブルーズなんて出てきませんが、ホーンやストリングスが効果的に用いられたジャジーなアレンジに乗せて、しっとりと、そしてじっくりとブルーズン・ジャズを歌い上げています。

ジュリー・ロンドンの(特に初期の)アルバムは、一枚ごとにはっきりとしたテーマに基づいて作成されています。これは後の旦那でもあるボビー・トゥループのプロデューサーとしての手腕によるところが大きいですね。ファーストから順に見ていくと、『Julie Is Her Name』は全曲がバーニー・ケッセルのギターとレイ・レザーウッドのベースのみをバックに、『Lonely Girl』は全曲がアル・ヴィオラのアコギのみをバックに歌い上げられています。3作目『Calendar Girl』ではカレンダーのように月を駆け巡っていき、そしてこの4作目のブルーズ集へと続きます。

と、ここまで書いてて、彼女のアルバム・ジャケットを並べてみたくなりました。とりあえず第一弾ってことで、上記の4枚を。